hyuga_kabocha(まっきー)のブログ

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ラブ・ネバー・ダイの感想&妄想【その3】

【補注①】
1つ前の記事で書いた、「美の真実」後にかつらを外した状態で現れるファントム、市村ファントムが髪をぽわぽわと立ててから現れるのかわいいと書きましたが、鹿賀ファントムもちゃんとぽわぽわしていたとのこと。2人ともかわいい。
【補注②】
1幕はあらすじと感想を分けて書きましたが、2幕は挫折しました。混合でいきます。観劇した方には冗長なところもあるかもしれませんが、ご容赦ください。
 
【本文】
アントラクトが終わり、2幕冒頭、明け方のホテルのバーで1人飲んだくれるラウルからスタート。クリスティーヌたちの部屋のセットの裏側が、見事にホテルのバーになっているのですね。
 
ここでラウルが歌う「なぜ僕を愛する?」
とても切ないメロディ、歌うラウルもとてもつらく苦しそうで、「なぜ愛す?」の叫びも、両ラウル歌も演技もとても素晴らしい。
 
だが、歌っている内容がだな!!!
         
クリスティーヌが望むのは、ラウルが昔のように優しいラウルに戻ることだとわかっているのに、「どうすればいい?」じゃない!!
クリスティーヌが歌うのを望んでいるとわかっていて、その自由を阻んでおきながら、「そんな僕をなぜ愛する?」だと!!?
クリスティーヌはラウルに対して別に芸術への理解なんかこれっぽっちも求めていないのに、勝手にそれを望んでいると決めつけて勝手に絶望して勝手にやさぐれて勝手に全財産すって勝手に酒に溺れて家族を追いこんだ挙句、「どうすればいい?全て忘れるために」だと!!?
そのくだらない思いこみだかプライドだかわからないものを捨てて、素直に愛する妻子に愛情を注いでさえいれば、全財産を失うこともアメリカに来てファントムに再会する羽目になることもなく、パリで、子爵として、美しい歌姫の妻と、可愛い1人息子に囲まれて、他人も羨む素晴らしい生活ができたんだろう!
今からだってラウルさえ変わればいくらでも親子3人幸せに暮らすぐらいはできるだろう! 
ラウルには全部わかっているし全部やろうと思えばできるのに、何をやってるんだ何がしたいんだ!!!(くわっ)
 
と、怒りをはき出したところでもとに戻ります。(すみません)
 
バーに入ってくるメグ。蛇足ながら、初見のとき、メグの「毎朝海で泳ぐの。過去を全部忘れるために。」に反応したラウルを見て、「まさかラウルはメグとくっつくのか」などと思ってしまいました。
 
メグが出て行き、「ふん、あんな奴を恐れるものか…!」なラウルが振り向くとバーテンダーがファントムとすり替わっている!のシーン。
 
いかにもオペラ座な演出ですが、やはり初見の時はびっくりして跳び上がりそうに。当然、2回目の観劇の時は、ラウルとメグの本筋を無視してバーテンダーを凝視し、入れ替わりの瞬間を観察。意外にギリギリまでバーテンダーさんでびっくりしました。本当に、メグが左端の扉から出て行く瞬間くらいに、右端に移動していたバーテンダーがすうっと静かにかがみ、同時にバーテン姿のファントムがすっと立ち上がる。病み上がりの鹿賀ファントムが、立ちあがるのがしんどそうでちょっとハラハラした回も。
 
で、ファントムが「恐くないのだろう?私のことなど」とラウルを睨みつけるシーン!!
 
市村ファントムも鹿賀ファントムも、かなり前列で、ちょうどラウル越しに真正面からこのシーンを観ることができたのですが、いやぁすごかった。
 
市村ファントムは、本当にギラッと眼が光るのが見えた気がしました。あの市村ファントムの眼力で、むき出しの激しい敵意と憎悪を、力の限りぶつけてくる感じ。私がラウルなら、完全に怯んだ後に全力で逃げ出します。怖い。一歩でも近づいたら、首を締めあげられて殺されそう。
 
鹿賀ファントムは、完全に魔王です。魔王復活です。目が合った瞬間に、とにかく「殺される」と直感しました。殺意に近い、暗く冷たい敵意。私がラウルなら、完全に錯乱して銃で撃ちます。怨念を抱いた亡霊を、魔王を、この世のものではないものを見た怖さ。近寄らなくても魔力で殺されそう。
 
それでも踏ん張るラウル。ファントムとラウルで「負ければ地獄」が始まります。
主役男性2人が全力でぶつかりあう、レミゼで言えばバルジャベの「対決」にあたるような、盛り上がるナンバーです。曲ももちろん良い。
 
だが、歌っている内容がだな!!!
 
ファントム、ラウル、2人ともちょっとこっち来てそこに並んで座りなさい。正座だ正座。
まずファントム。
そもそも、「月の無い夜」の、10年前の時点でありえない。
(抱いた後で)独断で「上手くいくわけがない」と勝手に即断し、何も言わず、理由も思ったことも残さずに、夜明け前に勝手に消えるとか…(呆れて言葉が出ない)
クリスティーヌには、意味も理由もさっぱりわかりませんよ。クリスティーヌの気持ちとか決意とか意思とか、ガン無視なわけですよ。いやそりゃまぁファントムですからね、他人の感情を考えろって難しかったんでしょうけど。
で、その馬鹿な行動のせいで、息子がいることを10年も知らず、現在の状況を招いたわけですよ。ちょっとは学習とか反省とかあってもいいじゃないですか。
で、とった行動が
「クリスティーヌがどちらを愛しているか賭けよう。俺が勝ったらクリスティーヌと息子は俺のものだ。2人を置いて出ていけ」
 
またか!!!
 
また! またクリスティーヌの気持ちとか決意とか意思とかガン無視ですか、10年前とまっっったく同じ過ちを繰り返すんですか!
 
そしてラウル!
こんな賭けに反射で乗るな!考えろ!
というかクリスティーヌとグスタフの、自分の妻子の生活と人生にちゃんと責任を感じていればできないはずだろう!!!
勝手に妻子の、いや自分以外の人間の人生を賭けるんじゃない!!!
 
これもツイートで読んでまさしくと思ったことなのですが、バルジャベの「対決」と、ファントムラウルの「負ければ地獄」は、2人の男の真っ向対決という意味では似ているけれども、全く違う。
「対決」は、2人の男が、それぞれ自分が正しいと信じる生き方のために、自分の人生を賭けて戦っているからあんなにかっこいい。
でも「負ければ地獄」は、2人の男が、それぞれ自分の欲望のためだけに、他人の人生を賭けて戦っているから本当にひどい。それ、戦ってないからね。あなたたち、何もしてないからね。
 
この作品中で、ファントムとラウルはクリスティーヌを愛していると言っていますが、2人とも、1度たりとも、「クリスティーヌの気持ち」も「クリスティーヌの幸せ」も考えていないんですよね。だからこの2人の感情を「愛」とはどうしても言いたくない。「執着」とかのほうがぴったりきます。
 
さて話を戻して「負ければ地獄」のシーン、万里生ラウルは回を追うごとに、動きも声も大きくなり、酔っぱらいぶりが進化していて面白かった。特に、ファントムに「醜い、化け物!!」と叫ぶシーン、5回目に観たときは「化け物!!」のあまりの声の大きさと動きの大きさに、ちょっと笑いそうになりました。でもそのくらいラウルの必死っぷりも伝わってきて良かったです。
 
賭けは成立、ファントムは消え、我に返ったラウルはクリスティーヌの元へ。
 
コニーアイランドではメグの新作ショー「水着の美女」が成功を収めるも、マダムが「あの人は見てもいない。クリスティーヌのところよ」とメグにトドメをさします。「かわいそうな私のメグ」じゃないよマダム…。「かわいそうな私」って言いたいだけ、「娘まであの人に愛してもらえない、かわいそうな私」にしか聞こえないよ…。
口では「愛してる」って言いながら、相手のことなんか何も考えていないのは、ファントムもラウルもマダムもそっくり。
 
クリスティーヌの部屋では、クリスティーヌがドレスアップ。ここで、グスタフに「イヤリングをとってちょうだい」と頼むクリスティーヌの台詞に、キャストによる違いが。
あーやクリスティーヌは、普通に「サファイアのよ」と言うのですが、濱めぐクリスティーヌは私が観た2回とも「青い石のよ」「青いサファイアのよ」と「青い」を入れていました。グスタフにもわかりやすいようにかな、とちょっと濱めぐママにほっこり。
「女王様みたい!」とグスタフに言われて、女王の真似っこしてはしゃぐクリスティーヌはどちらも可愛いすぎです。貴女たちお2人ともおいくつですか(絶賛)。私でさえハートを撃ち抜かれそうになったので、お2人のファンの方々は倒れたのではないかと心配しています。
 
そこへ昔風にキメた全力のラウル登場。グスタフを追い出して、クリスティーヌを口説き、歌わないように懇願します。
「これからは自由に歌っていいから!だから今夜は歌わないでくれ!」
という束縛系DV夫の言葉が説得力ゼロを通り越していて、言葉が出ない。あんぐり。
 
ラウルが出て行って、入れ替わりにファントム登場。「あの男は君にふさわしくない。わかっているだろう?」と囁き、歌うように言います。
ここでファントムがクリスティーヌにネックレスをつけてあげる問題のシーン。いや、市村ファントムは全く問題ではないんですけどね。私が観たときはいずれもネックレスシーンは鹿賀ファントム比較的好調だった(少なくとも舞台進行で問題になることはなかったと思う。ネックレスガン見はしてたけど)ので、「そんなに言うほど手こずってなかったよなぁ」と思っていたのですが、その後市村ファントムを見て、あまりのスムーズさに驚愕。手元見てなくて流れるようにつけた!手慣れすぎ!いやもちろん「怪人」ファントムだから魔法のようにスムーズでよいし、夢を壊さない&話を壊さない点で間違いなく正しい。
まぁでもファントムの経歴考えると女性にネックレスつけてあげたことなんてないから「人間」ファントムとしてはネックレスにちょっともたつく鹿賀ファントムもよいのではと贔屓目。
 
と、ここで。この2人が「クリスティーヌの愛はどっちだ」と必死になっている賭けについて、そもそもの、身も蓋も無いツッコミをしてもいいですか。
クリスティーヌは、「お仕事」で、歌うという「契約」をしているんです。
お客さんは、クリスティーヌの歌を聴くために、お金を払って、客席までもう来ているんです。
クリスティーヌのために、多くの人の手によってステージの準備も終わっているのです。
クリスティーヌは、完璧に歌えるコンディションにあるわけです。
 
「愛」云々以前に、この状況では「歌う」のが、お仕事をしている大人として当然の判断です。
君たちはお仕事をしたことがないからわからないのだろうけど!!!
 
ましてやクリスティーヌは、勝手に自分の人生が賭けられているなんて夢にも思っておらず、ラウルの懇願の意味も理由もさっぱりわからない状態なのです。
(これまでもラウルは酔っぱらってワガママ言ったり、「僕を愛しているなら」って無茶を言ったりしてるだろうし。)
 
そりゃ歌うよね。こんなので勝手に愛をはかられても…まして人生を勝手に決められてもねぇ…。
 
男2人がそんなこんなで必死のころ、クリスティーヌの言葉通り1人で舞台袖にやってきたグスタフ。綺麗だけれど悲しげで、不安を掻き立てるメロディーを口ずさみます。
ストーリーを全く知らずに観た初回、そのグスタフの歌う哀しい音色の中で、舞台スタッフの「吊りものの準備は?」「OKです!」という台詞を聞いたとき、「そうか、これでシャンデリアが落ちて、クリスティーヌはあの日のカルロッタのように死ぬのか…」と勝手に納得していました。(ミスリードだろーあれー。)
そんなグスタフを大人たちが囲み、そのうごめく思惑同様、全員が動き回りながらの「負ければ地獄」カルテットバージョン。必死な大人の欲望が重なりあい、不気味で重厚で聴きごたえ満点。最後にメグが「負ければ地獄」と一言だけ歌い、グスタフを連れて舞台から消え、不穏な空気のままついに幕が開きます。
 
ステージの奥に立つクリスティーヌの影が浮かび上がり、舞台下手のファントム、舞台上手のラウルがそれぞれ見つめる中、ゆっくりと「愛は死なず(ラブ・ネバー・ダイ)」を歌い始めるクリスティーヌ。
ここではどちらのファントムもほとんど動きませんが、そのファントムが、「愛は絶望を与えた手でまた歓びに震えさせる」という歌詞のところでゆっくりと浅く一度だけうなずき、クリスティーヌと見つめあうところはとても印象的。
そしてクリスティーヌはラウルと見つめあい、また正面を向いたところでラウルは退場。舞台は大成功で幕を閉じます。ここでの見事な両クリスティーヌの歌唱とそれに対する観客席からの拍手は、どこまでが物語の中でどこからが現実かわからない熱気に包まれていて、不思議な感じ。
そしてクリスティーヌの部屋で、クリスティーヌと勝ち誇ったファントムが顔を合わせて歌うわけですが、
市村ファントムは「ラウルに勝った!!」の喜びが強め、鹿賀ファントムは「クリスティーヌが手に入った!!」の喜びが強めなイメージ。
 
部屋に残されていたラウルからの別れの手紙を読んで、グスタフの不在に気づくクリスティーヌ。そのクリスティーヌに「どうした?」と尋ねるファントム。
鹿賀ファントムは、1回目観劇時は真面目な顔で怪訝そうに、2回目観劇時は(この喜ばしい瞬間なのに何が?と)不思議そうに、3回目観劇時は(クリスティーヌを手に入れた喜びに浮かれてか)軽~く(笑)尋ねていて、本当に演技をいろいろ変えているなぁ鹿賀さん。
 
グスタフ連れ去りの容疑者が、ラウル→マダム→メグとなり、「メグが!」となった瞬間、メグを愛しているようで何もわかっていない母親マダム・ジリーよりも先に、ファントムが「行き先はわかっている!急ごう!!」と駆け出すシーン。
観劇2回目以降、このシーンが、メグの「ハッピーエンドに~♪」と同じぐらいぐっときました。何だよファントム、そのくらいはメグのこと見てて、わかってたんじゃんか、なんでそれを本人に見せてあげなかったんだよ、自分の行き先に真っ先に気づいたのはファントムだって知ったら、メグもあんなことにはならなかったんじゃ…などとぐるぐる。
 
そして舞台は海辺へ。グスタフは貴族の子息らしく、メグに丁寧に「放してください、ミス・ジリー。僕、泳げないんです」と頼むわけですが、あんな闇病みMAXの顔で「大丈夫よ、すぐ終わるから」なんて言われたら、相手が女だろうがなんだろうが蹴っとばしてでも逃げなきゃではと思います。まぁメグは銃を持っていたので、そうしなくて正解だったのですが。
現れたファントムに対して、コニーアイランドの、ファントムのために政治家や投資家に抱かれたのに!と感情をぶつけるメグ。ファントムとクリスティーヌの後ろで「かわいそうな私のメグ~」と泣いているマダム・ジリー。
ろ。
根拠は無いですが、メグが売春したとき、マダムはどうもファントムとコニーアイランドのために見て見ぬ振りをしたんじゃないかなと思えてしまうんですよね…。
 
 グスタフを解放し、自らに銃を向けるメグを、「美の真実」のメロディで説得するファントム。私は単純なので、「君の銃と苦しみを私にくれ」なんてファントムに言われたらあっさり渡しそうです。
 Twitterでは、「クリスティーヌ以外の人間の命なんて、虫ケラほどにも思っていなかった『オペラ座~』のファントムはどこへいった! 他人のことを思いやるファントムなんてファントムじゃない!!」と悲しんでいる方々もいて、「確かにそうだったよなぁ」と納得したわけですが、このシーンのファントムからは本当に必死さが伝わってきます。
 
でももう少しで説得成功、という段でファントム、「違うんだ、君とクリスティーヌとは」って、女心がわからぬ見事なとどめ。まぁこれぞファントムというか。
最初の観劇のとき心の中で
「だめー!そこでクリスティーヌの名前出しちゃだめー!!!」と叫んだわけですが、メグは案の定、逆上。
「クリスティーヌ、クリスティーヌ、いつもあなたはクリスティーヌばかり!!!」と銃をファントムに向けたメグとファントムがもみ合い、銃弾はクリスティーヌに命中。
倒れたクリスティーヌを見たメグの反応に、「そうだよな、最初からメグはウソだろってぐらいクリスティーヌを友達だ大事だって言ってたし、頼みも聞いてあげてたし、クリスティーヌが憎いんじゃなくてファントムが愛しいだけだったんだよな難しいなぁ」としみじみ。
 
医者を呼びにマダムとメグが去り、親子3人に。
必死に止めるファントムを遮り、クリスティーヌは「この子にはもうあなたしかいないから」とグスタフに真実を告げ、グスタフは「嘘だ!」と走り去る。当然ですな。あんな酔っぱらって怒鳴られても、ラウルパパ大好きだったからなぁ。
 
2人きりになり、
ファントム「どうすればいい。あの子にどうすれば」
クリスティーヌ「ただ愛し、ただ与えて。それだけでいい」
あー、そんなこと言うと、本当にファントムは他人殺してでもグスタフに与えるくらい溺愛ダメパパになりそう~。将来グスタフが片思いした女の子に彼氏とかいたら、勝手にその彼氏を殺してきて笑顔でグスタフに報告したりしそう~。
 
感動の場面でそんなことを思っていたら、口づけを求めるクリスティーヌのために、ファントムが座り直し、クリスティーヌを抱きかかえ直してゆっくりと口づけ。おおおおお、いいよ!その座り直すところすごくいいよ!!!(個人的にツボ)
 
そして口づけし、息をひきとるクリスティーヌ。ちょうどそこへ、どこからかラウルを見つけて一緒に戻ってくるグスタフ。すごいな。本当にすごいないったいどうやって見つけたグスタフ。
この点が気になって、一瞬、物語から離れそうになったのですがなんとか着地。
グスタフは、母親のラブ・ネバー・ダイズの熱唱も(たぶん)聴けておらず、母親の死ぬ瞬間にも立ち会えず、本当にかわいそう。
 
母親に顔をうずめるグスタフ。現れたラウルを見て、ファントムはラウル
と無言で見つめあい、ラウルにクリスティーヌの身体を預けてゆっくりと離れます。クリスティーヌを抱きしめて悲しむラウル。
ラウルをちゃんと見ていれば演技の違いがあったような気がするのですが、完全にファントムしか見ていないので記憶がありません。
 
1人離れたファントム。最初に観た市村ファントムはここで悲しむ演技が大きかったような気がするけど、2回目はちょっと静かだったような。鹿賀ファントムは静かに悲しむ感じか。
 
そんなファントムを見て、ゆっくりと近づくグスタフ。自分のところに来たグスタフを思わず抱きしめるファントム。
これもツイートをいろいろ見て、言われて注目して気づいたのですが、子役くんによって演技が違います。クリスティーヌから離れた後で、
一度ラウルの背中をじっと見たり、
クリスティーヌをじっと見たり、
振り返らなかったり。
 
そして抱きしめられた後、ファントムの仮面を左手で取るシーンも、
右手をじっと自分の胸に手を当てて(クリスティーヌの『心で見つめて』を思い出している?)いたり、
右手で橋をぎゅっっっと強く握りしめて(本当は怖いことを表している?)いたり。
 
ツイートで教えていただいたので、クリスティーヌを見つめて、自分の胸に右手を当てていたのは加藤グスタフでほぼ確定なのですが、他の2人は自分の記憶で、しかもそんなに注目していなかったので記憶があいまいなため、明記は避けます。
 
そして仮面の下の顔に触れてきたグスタフに対する、ファントム。
市村ファントムは、目を見開いて驚き、触れられるがままで、呆然とグスタフを見つめる。
鹿賀ファントムは、やや怯えて目を閉じ、顔をゆっくりそらしながらも触れさせている。
 
鹿賀ファントムについては、「客席を見る」「海を見る」と解釈している方もいましたが、個人的には、どこかを見ているのではなく、(いちばん近くで観たときは目を閉じていたことや表情なども考慮に入れると)「触れられることに怯えて思わず顔をそらしている」と解釈。でも拒絶するではなく、左を向くことで顔の右側をグスタフに触れさせているので、ファントムなりに向き合っているのかなと。
 
そして暗転&終幕。
 
ラブ・ネバー・ダイ~カーテンコール、そしてラ・カージュへ~
へ続く。