hyuga_kabocha(まっきー)のブログ

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ラブ・ネバー・ダイ(再演)の感想

 2019年1月19日(土)昼に、日生劇場で『ラブ・ネバー・ダイ』の再演を観てきました。石丸ファントム回です。

物語のあらすじやストーリーや登場人物については、初演の時にさんざん書きました↓
ラブ・ネバー・ダイの感想&妄想【その1】 

ラブ・ネバー・ダイの感想&妄想【その2】 

ラブ・ネバー・ダイの感想&妄想【その3】

ので、今回は初演と比較しての感想を中心に書きたいと思います。

Twitterに書いたもの
に軽く書き足したものです。

 初演との違いは、まず『オペラ座の怪人』からの楽曲の挿入が増えたことでしょうか。特に、「美の真実」の前シーンで、グスタフが弾く「オペラ座の怪人」のメロディーに高揚したファントムが「歌え、私のために!」と叫び、それに呼応してグスタフが見事なボーイソプラノでクリスティーヌパートを歌うシーンはこちらもテンションが上がりました。

 そしてそこからの「美の真実」は、再演での大きな変更ポイント。かなり編曲されてバージョンアップしています。楽曲も演出も派手になっていてかっこいいのは間違いないのですが、楽曲としては初演版(ファントムの問いかけとグスタフの「Yes!」を中心に進んでいく)のほうが私は好みかも。良し悪しではなく、完全に好みの問題です。

 というわけで、日本再演版のラブネバのCDを出して、ボーナストラックで初演版の「美の真実」を、鹿賀さんのスタジオ録音で入れましょうホリプロ様。そうすれば幸せな人も増えるしCDの売り上げも増えて、みんな幸せになりますよ。うん。

 あと「月の無い夜」、演出変わりましたよね?初演はあんなにファントムがクリスティーヌに触りませんでしたよね?クリスティーヌの左肩と腕に顔をうずめたりしませんでしたよね?
 「えっ、石丸ファントムの触り方めっちゃエロくない?これ隙あらばそのまま押し倒すんじゃない?クリスティーヌを見る目が完全に求めてて狂ってるんだけど」と思いながら観てました。キスシーンも増えている気がするし。

 初演の市村ファントムは徹頭徹尾「怪人」で「音楽の師」要素強め、鹿賀ファントムは魔王みたいな恐ろしさなのにクリスティーヌの前では脆く子どもっぽいという印象だったのですが、石丸ファントムは割と対等で、我儘な男が男女関係こじらせたんだなっていうリアリティが。(誉めてます)

 なので、石丸ファントムがガツガツガンガンとクリスティーヌに迫っているのを観ていると、やはり我儘で俺様でちょっと生々しくて大好きなシシィにガツガツガンガンぐいぐいと迫る石丸トートが頭をよぎりました。(個人の感想です)(石丸トートも好きでした)

 そんな石丸ファントムがグスタフを見て「まるで君(クリスティーヌ)そのものだ!」とクリスティーヌに言った瞬間の私
「逃げてー!グスタフ逃げてーー!!!そのおじさん、あなたのお母さんとあなたを重ねてるからー!!!そのおじさんが『友達だ』とか言って近づいてきたのと仲良くなると闇が広がるから逃げてーーー!!」
 
 万里生ラウル、アル中ながら「落ちぶれても貴族」「酒に溺れてもラウル」が見え隠れして好きです。終演後、後ろにいた万里生ファンの女性が「爽やかだったよー!そこまでクズ男じゃなくない?」と言ってて、推しフィルターすごいと思いました。「爽やか」はまだしも、クズ男はクズ男だったと思う。

 『ミュージカル』の最新号を買ったら石丸さんのインタビューも載っていたのですが、「ラウルの変貌には怒りがありましたけど(笑)」とさらっとはっきり言っていて、やはりそうだよなぁと。このインタビューでは、ファントムについてもラウルについても石丸さんの解釈がいろいろ読めて面白かったです。
 
 「レベッカ」を引きずった頭で観たので、1幕ラストに現れたマダム・ジリーがダンヴァース夫人に見えたし、ソロ歌い上げ後に「これ最後コニーアイランドが炎に包まれるやつや」と思ってしまいました。ただ、マダム・ジリーからは1幕最後の高笑いが消えましたね。個人的には高笑い無しのほうが好きかな。

 「愛は死なず(ラブ・ネバー・ダイ)」のクリスティーヌソロ、袖で観ていたラウルがいなくなる前に、今回は明らかにクリスティーヌとアイコンタクトをとって、クリスティーヌも反応してましたね。初演はここまではっきりとした演出ではなかったような。

 初演との違いで印象に残ったのはざっとこんな感じです。歌詞や装置、演出の細かな変更等はもちろんもっとたくさんありました。
平原さんのブログにもあった通り、
衣装は今回すべて新作だそうです。ということは、再々演も視野に入っているってことでしょうか。ストーリーはともかく、音楽も装置も素晴らしい舞台ですし、今回の公演が盛況好評に終わって、再々演へとつながってほしいです。