hyuga_kabocha(まっきー)のブログ

Twitterに書ききれない長文投稿用ブログです。

ミュージカル「レベッカ」(2019)感想の感想

 ミュージカル「レベッカ」,無事に千穐楽を迎えましたね。おめでとうございます。
円盤化の発表はありませんでしたね…クンツェ&リーヴァイ作品の映像化続いていたし,このキャストをそろえたし,撮影も入っていたし,絶対に円盤化すると思っていたのですが…
 
 結局1回しか観られなかった飢えを癒すためにTwitterで感想を検索して片っ端から読んでいたら,みんな面白いことを書いていて,それに対してまたいろいろと感想が湧き上がってきました。
 どの作品も感想を読むのは大好きですが,「レベッカ」は特に,原作も舞台も謎や想像をかきたてるものがあるようで,様々な感想・疑問がありました。
真逆の解釈もごろごろ転がっているのが本当に面白かった。
 
 禅フランクの感想も「癒し」「安定の良い人」から「もう善良な人には見えない」「怖い」まで様々です。
(どちらも間違いなくフランク。それが禅フランク。最高。)
 
 というわけで,Twitterで見た感想についてだらだら書いていきます。思いつくまま追加・修正します。
 
公演の感想はこちら 

hyuga-kabocha.hatenablog.com

 
「なぜレベッカは自分を殺させる人間にマキシムを選んだか」
 「自分を殺させる人間に選んだ」ことを歪んだ愛ととらえて,それに自分が選ばれなかったからダンヴァース夫人は最後に狂ったととらえている人もいれば,「そこまでして(殺人の罪を犯させてまで)マキシムを陥れたかった」ととらえている人もいました。
 愛なのか憎しみなのか。だとしたら,どうしてマキシムを愛したのか,憎んだのかという疑問も出てきますよね。
 これも「レベッカは自分が一番好き。だから自分の血縁で自分と似たファヴェルを一番の愛人にした」「マキシムも恵まれた容姿や傲慢さや見栄を重視するところなどレベッカと似たところがあったのでは(だから愛した,夫に選んだ)」という解釈がありました。
 憎しみ解釈では,「レベッカやファヴェルは成り上がり階級」と分析し,「爵位こそ持っていないけど古くから広大な領地を持つ上流階級」のマキシムを憎んだ説も。
 
 「なぜレベッカはマキシムにだけ本性を見せたのか」という問いもあって面白かった。猫をかぶったままマキシムを手玉にとり続けることもレベッカならできたはず。
これも「レベッカも人間だったので本性を見せられる人間が必要だった」から「よりマキシムを苦しめるため」まで解釈があり,結局レベッカがマキシムに抱いていた感情は何だったのかという話になるのかな。
 
「ダンヴァース夫人はなぜ屋敷を燃やしたか」
 これも,「レベッカが自分に隠し事をしていた」「レベッカの命を奪う役に自分を選んでもらえなかった」などなどからの発狂説から,「レベッカが盛り立てて作りあげたマンダレイの財を無に帰すという目的のため」説まで。
 確かに,レベッカの痕跡をすべて消し,ミセス・ド・ウィンターとして目覚めた「わたし」が,レベッカの成した財と屋敷でマキシムとのうのうと暮らすのはダンヴァース夫人には耐えられないだろうなぁ。そんな「わたし」や「マキシム」に「復讐する」「罰を下す」みたいな意識もどこかにあったんだろうかと。
 あと,物語的に,いくらレベッカ本人にそそのかされたとはいえ,「マキシムが罪悪感と秘密をかかえるだけで,何の罪にも問われず制裁も受けず罰も受けず,マンダレイは今まで通り」めでたしめでたし,で終わるよりは,ダンヴァース夫人の手で盛大に燃やしてくれたほうが←。
原作では,火をつけたのがダンヴァース夫人かははっきりしないんですけど。
 
「フランクはどこまで共犯か」
 私も「マキシムのフォローのために背後でこっそり隠蔽工作」くらいは思ったのですが、でももっと上も結構いらっしゃって、
「上流階級のあのマキシムがドリルを使ったり,物理的な隠蔽工作ができたとは思えないので実行犯はフランクでは」
「『親友だ』と紹介したときの驚きのフランクの表情から、マキシムのあれは『裏切るなよ』という念押しでは」
「フランクがベンに口止めしていたのは,レベッカの遺体遺棄だけではなく、ボート小屋で自分がレベッカと会っていることをずっと口止めしていたのでは」
などの説があってすごいなと思いました。そこまでは考えなかったなぁ。
 いろいろ書きましたが,結局私は「フランクは偶然現場を見てマンダレイのために隠蔽工作をした」「フランクはレベッカに誘惑されたけど関係は持たなかった」派です。
 
また何か思い出したら書きます。
 
あ,あと,「雛菊は薔薇にはなれない」という今回から登場らしい文言が気になってる方がいたと思うんですけど,原作のどこかにあったはず…。
これからもう1回読み返そう。
 
 
添付画像は,公演プログラムの表紙です。
 
無印のものが,地方公演時から発売していた稽古写真版。
 
「THEATRE CREATION 10th ANNIVERSARY」と上部に入っているものが,クリエで発売した舞台写真版です。
 
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