hyuga_kabocha(まっきー)のブログ

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石川禅さんのコメント動画集

石川禅さんの歌やダンスについてはこちらにまとめたので、

無料で聴ける石川禅さんの歌の動画まとめ

石川禅さんの歌が聴けるCDを紹介してみる

この記事では、禅さんの歌やダンスだけでなく、石川禅さん自身についてもっと知りたい!という人向けに、Youtubeにアップされている「12の質問」や公式コメント動画をまとめてみました。

 

まずは12の質問から。

石川禅への12の質問 (2019)

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石川禅への12の質問(2021)

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石川禅への12の質問(2022)

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ここからは、作品ビジュアル撮影時のコメント動画です。

 

 最初は個人的にお薦めの『ヘアスプレー』(主人公の父親・ウィルバー役)のコメント動画。

山口祐一郎さんのコメント動画には、禅さんと2人で撮影する様子が映っています。

日本版の上演、信じて待っています!

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ダンス・オブ・ヴァンパイアは、いつもとはちょっと違う、稽古現場での紹介動画が魅力。

2015年 開幕直前コメント

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2019年

アブロンシウス教授 紹介動画

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教授の弟子・アルフレートの紹介動画にも登場

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こちらは、本番では短髪になってしまった『レディ・ベス』ガーディナー猊下の、貴重な長髪バージョンでのコメント動画。

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ビジュアルという意味ではこちらも激推しです。『貴婦人の訪問』のクラウス校長のコメント動画。

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コメント動画と本番で見た目が変わったのはこの人物も。

タイタニックで演じたタイタニック号の船主・イスメイ。本番ではおひげがないのでこちらも貴重映像。

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物語の鍵を握る黒ずくめの男もかっこいいです。物語中ではひたすら冷徹で優雅。

『笑う男』のフェドロ役(2019)

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『笑う男』のフェドロ役(2022)

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こちらも黒っぽい衣裳でエレガントな、検事総長様。モンテ・クリスト伯で主人公を陥れる敵役のヴィルフォールです。

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禅さんが演じる悪役・敵役は上流階級でクールな人物が多いですが、

『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト』演じたカーティスはちょっと荒いところもあるギャングのボス。

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もちろん、悪役や敵役だけではなく、主人公の頼りになる温和な友人役ポジションも魅力。

レベッカ(2019年) フランク・クロウリー

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こちらは、涼風真世さんとなんと5度目の夫婦役となった、マディソン郡の橋バド。

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そして最新作は、『ジェイミー』のヒューゴ/ロコ・シャネル役。

ご自身初のドラァグ・クイーン役にして伝説のドラァグ・クイーン

コメント動画はヒューゴの宣伝衣装です。

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 このビジュアル撮影時の禅さんがとてもかっこいい&かわいいので、コメントは無いのですが貼らせてください。

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そしてここからは、これまでのような作品ビジュアル撮影時のコメント動画よりももっと長く語っているものを。

 

『生きる』を観劇時のコメント動画も個人的におすすめ。

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ミュージカル『タイタニック』開幕直前会見で語る様子もどうぞ。「床」について語る禅さん。禅さんらしさがいろいろつまっています。

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ここからは、コメント動画の番外編。

禅さんに「メリークリスマス!」と言われたい方はこちらの動画をどうぞ。

 

 

 

こちらはホリプロ感染症対策よびかけ動画です。

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随時更新。

 

無料で聴ける石川禅さん歌唱動画まとめ

 石川禅さんのことがちょっと気になる、歌をもっと聴いてみたい、でもいきなりCDじゃなくて、試しにちょっとずついろいろ聴いてみたい……

という人向けに、無料で聴ける公式歌唱動画をまとめてみました。

 

※サブスクで聴いてみたい人はこちら→ サブスクで聴ける石川禅さんの歌

※CDを聴いてみたい人はこちら→ 石川禅さんの歌が聴けるCDを紹介してみる  

 

以下の作品順に載せているので、好きそうな作品や歌から聴いてみてください。

禅さんが歌うところから頭出し指定してあります。

 

作品ごとに

ダーウィン・ヤング~悪の起源~』(主人公の祖父76歳とその過去16歳)

キングアーサー』(主人公を導く魔法使いマーリン)

ジェイミー』(主人公の夢を手助けする伝説のドラァグクイーン

ヘアスプレー』(主人公の理解者で優しいパパ。愛妻家)

フリーダ・カーロ』(亡命しフリーダと出会うレフ・トロツキー役ほか)

ダンス・オブ・ヴァンパイア (変人だがキュートでかっこいいおじいちゃん教授)

タイタニック (沈没事故から生き残ったタイタニック号の船主)

アリス・イン・ワンダーランド (ワンダーランドの住人・白のナイト/アリスの夫・ジャック)

『パレード』 (自分の地位を守るために主人公を追い詰める検事)

『天使にラブ・ソングを……』  (マフィアのボス。Wキャストの賢也さんと2人でですがまるまる1曲歌うほぼ唯一の動画)

『貴婦人の訪問』 (街の良心。ロマンスグレーな校長先生)

ソロコンサート(練習風景)

となっています。

 

 

それではどうぞ!

ダーウィン・ヤング~悪の起源~』(2023)

※赤いフードを着て革命を先導する16歳の少年隊長

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※76歳ロマンスグレーが息子と孫と歌う三重唱

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『キングアーサー』(2023)

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『ジェイミー』(2021)

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『ヘアスプレー』(2022)

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フリーダ・カーロ~折れた支柱~』(2022)

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ダンス・オブ・ヴァンパイア

19年舞台映像 

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19年公開ゲネプロ 

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 15年舞台映像 

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タイタニック』(2018)

プレスコール映像(エントレ)

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プレスコール映像(エンタステージ)

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『アリス・イン・アンダーランド』(2012)(2014)

 

プレイベント

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製作発表

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初演稽古場映像 

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再演稽古場映像 

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初演舞台映像    

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再演舞台映像  

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『パレード』

製作発表(エンタステージ)

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製作発表(ホリプロステージ)

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初演舞台映像

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『天使にラブ・ソングを……~シスターアクト~』

製作発表。大澄さんと交互にですが、まるごと1曲聴けます。

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『貴婦人の訪問』舞台映像

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以上です。随時更新していきます!

 

禅さん自身がどんな人が気になってきた……という方は、こちらの記事ものぞいてみてください!※作成中

石川禅さんのコメント動画集 

石川禅さんに関するWeb記事(レポ・インタビュー)集

石川禅さんの情報まとめ

石川禅さんの公式サイトはこちら!

石川 禅 オフィシャルWEBサイト (horipro.jp)

公式ファンクラブサイトもこの中にあります。

 

公式Twitterアカウント

石川禅&STAFF(@zenishikawa)さん / X (twitter.com)

でも、最新の情報やご本人のpostが更新されています。

公式ブログはファンクラブ限定公開のものがあります。

現時点で、Instagramなどその他のSNS公式アカウントはありません。

 

これとは別に、禅さんの歌や動画に関する情報をまとめてこのブログに投稿しているので、ここにまとめておきます。

石川禅さん関連記事の目次のようなものです。

 

石川禅さんの歌を聴くことができるCD・映像ソフト情報のまとめ

石川禅さんの歌が聴けるCDを紹介してみる

 

石川禅さんの歌を聴くことができるサブスク情報のまとめ

サブスクで聴ける石川禅さんの歌

 

◆無料で石川禅さんの歌を聴いてみることができる動画のまとめ(公式のみ)

無料で聴ける石川禅さんの歌の動画まとめ 

 

石川禅さんのファンクラブ入会方法・会員特典詳細

石川禅さんファンクラブ詳細

 

石川禅さんのこれまでのソロコンサートセットリスト

石川禅さんのソロコンサートセットリスト(第1回~第5回) 

 

石川禅さんのコメント動画集

石川禅さんのコメント動画集 

 

石川禅さんのその他の音源・動画集

ネットで視聴できる石川禅さんの音源・動画

 

石川禅さんのWeb記事集。(レポート記事やインタビュー記事など)(作成中)

石川禅さんに関するWeb記事(レポ・インタビュー)集

 

 

◆2005年までの石川禅さんの情報がつまった応援サイト「papermoon」のPDFデータ

石川禅さん応援サイト「papermoon」 

 

石川禅さんにファンレターを送りたい場合の宛先は、

〒153-8660 東京都目黒区下目黒1-2-5

株式会社 ホリプロ・ブッキング・エージェンシー 石川禅

です。

参照元 この公式ページの下部にあります。

https://www.horipro.co.jp/hba/

 

随時更新していきます。

『スリル・ミー』(初見・配信)感想

 先日の配信で初めて『スリル・ミー』(成福ペアとにろまりペア)を観ました!

他の人の感想を読んで大まかなあらすじは知っていたものの、ずっと気になっていたので、配信で作品全体を観られてよかったです。ホリプロさま配信ありがとうございます!

 

配信を視聴後、こんなアンケートを見かけて

https://twitter.com/stanigh/status/1399210721825550337?s=20

考えたので、ブログにも書いておこうかなと。その後「私」はどうなったと思うか。

 

成河「私」は、人の世と交わらず、1人で彼の墓っぽいものを建てて静かに過ごしたのではと思いました。ただし、「彼」を殺した囚人のことは調べ上げているイメージ

 

万里生「私」は、この作品のモデルになった、レイのモデルとなった人物のその後と近いイメージで、国外で結婚してわりと幸せに暮らしそう。ただし、常に「彼」の写真は持ち歩いているし部屋に飾っているし、死ぬときは「これで永遠にいっしょだ!」って笑顔で臨終を迎えてそう。

 

 「彼」に関しては、観る前に想像していたのとちょっと違いました。もっと頭脳キレキレに全振りしていて、愛とか感情とかわからないくらいの人物かと思っていたのですが、父親から愛されない八つ当たりをしている、頭はいいけど厨二病をこじらせた感じの子どもで、わりと普通の人間だなと。ダロウみたいな弁護士になりたかったというのも、劇場型裁判をやって多くの人の心をつかみたい、動かしたい、認められたいという欲求なんだろうなと。ニーチェに走らず、過去の大事件の弁護士や検事や裁判記録を調べ上げるほうに走っていればよかったのかも。劇場型裁判で多くの人の心を動かした人物なら、ほんの数年前に、ユダヤ人の君たちを死刑から救った弁護士と逆に、人心を煽ってユダヤ人を死刑に追い込んだ検事がいたよ……。

 

 元になった事件が事件なので、犯行シーンがどう表現されるのかがいちばん怖かったのですが、予想よりあっさり表現でよかった……と思っていたら、「配信だとそう見えるかもだけど劇場で観るとあのシーンが生々しくて吐きそうになる」みたいなことを言っている方も見かけて、やはり狭くて暗い劇場で生で観るものなんだろうなこの作品、と改めて思いました。

 

 私は明るい部屋で、横で5歳男児が歌い踊る横で観ていたので、この子を事件の被害者にしないためには、「私」にしないためには、「彼」にしないためには、どう育てればいいんだろうとか意識が別方向に行ってしまったので……

 あと、私自身が非常に「私」に近い性質(小学校高学年のときに友人とちょっとこんな感じの関係になったこともある)で、最初から最後まで「私」がこういうことをしたのがとてもよくわかってしまい、感想が「私」への同情と共感になってしまうので作品自体への感想が書きづらいです。私は、「彼」に出会わなくてよかったと心の底から思ってしまって……。ここまで好きな相手に会えたんだからという人もいるかもですが、ここまで好きになるけど破滅へ導かない相手もいたと思いますよ……。

 

 2人の恋愛表現については、キスシーンどーんよりも、ネクタイ外しながらサスペンダー外しながら近づいていくシーンのほうが好き、って書こうとしたけど、いつぞやのディナーショーで圭吾さんが禅さんの唇奪った事件が発生したときに自分が大騒ぎしたのを思い出したので、推しが出たら掌クルーーーーン!かもです。

 

 そういえば視聴後の第一声は、禅「私」と禅「彼」で観たい、でした。

観る前は、禅さんは断然「私」だろうと思っていたのですが、「彼」の、人前では超絶見栄を張って強がっているけど実は脆くて繊細で愛を求める子どもな内面、というのを観たら、禅さんの「彼」も観てみたいなと。でも当時と現在を行き来しながら語る様子、彼との事件後のやりとり、「99年」あたりで狂気のギアを上げていく様子を観るとやはり「私」も観たいなと。ということで、禅「私」と禅「彼」でお願いします。

 

 あ、でも、つい人間くさい役や狂気の役が好きなのでやってやってと言ってしまうけど、禅さんは愛にあふれる優しい役もいっぱい観たいです。ラブソングもいっぱい歌ってください。

 

最後は120%脱線、作品内容についての深い考察は微塵もない感想で失礼しました。

新作ミュージカル『PARTY』の感想

2021年3月にリーディングワークショップが公開されたホリプロの新作ミュージカル『PARTY』。

先行公開のSwipeVideo版は終了しましたが、編集されたYoutube版は残っているのでリンクを貼っておきます。

新作ミュージカル「PARTY」リーディングワークショップ - YouTube

 

 まずは御礼から。SwipeVideoのアングル切り替えで観られるのは最高でした。どうもありがとうございます。

 生で観劇するのと映像で見るのとの大きな違いの1つが、「どこを観るかを自分で決められるかどうか」だと思うのですが、SwipeVideoは生で観るときほどではないにしろ、自分で観たい部分を選んで観られてとても良かったです。

 作品をつくり上げる過程のものを見られるというのも面白かったです。舞台本番では観られない、他の演者さんへの反応や待機中の様子なども見られて楽しかった。演者さんの反応を観て、どこまでが脚本でどこからがアドリブ?と不思議に思うところも。

オリジナル作品でないと難しいのかもしれないけれど、今後もリーディングワークショップや、制作段階のいろいろな様子を見られると嬉しいなと思います。「作品が出来上がっていく過程」は、作る側には当たり前のことでも、観る側には想像がつかないものもたくさんあるし、とても新鮮なものなので。

 

 作品については、音楽は大好きですし、役者さんの個性も輝いていてとても良いキャスティングだと思いました。今回初めて知った鈴木瑛美子さんは『ジェイミー』で観るのが楽しみになりましたし、エル・ガトが現代に転生してきたかのような小野田さんのMr.D.D.は大好きですし、伊礼さんの初老執事もおいしい役だなぁと。

 

 と、ここまではTwitterでも書きました。Twitterで、アングル切替視聴と音楽と各演者について褒めちぎる一方で、物語内容について全く触れなかったのは、ネタバレ防止もありますが、個人的にわからないことやいろいろ引っかかることがあって長くなりそうだったからです。歌の1曲1曲は好きで、コンサートで曲だけ聴いてもそれぞれ良い曲だと思うのですが、それらをつなぐ物語や世界観がいろいろ引っかかってしまい、入りこめなかったというのが正直な感想です。

 引っかかった部分は大小さまざまで、小さいものは揚げ足取りっぽいかもしれませんし、大きいものは私個人と作品が合わなかった部分かもしれません。単に私の理解力不足で読み取れなかった部分もあるかと思います。まして今回はリーディングワークショップで、これから作品として制作されていくなかでブラッシュアップされていく部分はたくさんあると思いますが、作品として出来上がったものを観たあとで個人的に見比べるために、現段階で感じた違和感をメモしておきます。

 

というわけで、以下、ネタバレ有りで書いていきます。

 

 

◆人物設定

登場人物について気になったのは、トム、ロバート、エリックの設定。

 トムはパーティのゲストの中で1人だけソロ曲もなく悩みも示されず、ボス・ジャックの身元保証と、MrD.D.と正反対のお堅い人物としての役割しかなくて、「これだけ?」となりました。モデルはユリが幼いころに好きだった俳優さんの1人みたいですが、そのままシンガーや俳優として登場しているブリトニーやオーランドとちがってFBI捜査官に転生しているし……。

 執事のロバートは、グランマと同様に「忘却の館」のために生み出された存在で、特にモデルがいなさそうなのですが、「グランマだけモデルとなった人物がいない」と言われていたので「?」となりました。

 そしてエリック。エリックはカイトとの別離というショックとストレスによって新たにユリの中に生まれたインナーチャイルドの1人だと思っていたのですが、「やっぱりあなた、カイトなのね」で混乱。「もしかして、現実世界と忘却の館をつなぐことができるドクトルが連れてきた本物のカイト?」とかも思ったのですが、最後に「見えなくてもずっとそばにいる」など歌っているから、やはり「ユリの中のカイト」が顕現したインナーチャイルドの一種?ですよね……?

 

※追記 この作品中で「インナーチャイルド」と呼ばれているものは、「イマジナリーフレンド」と混同されているものがあると思うのですが、作中に合わせて「インナーチャイルド」と表記し、作中の「インナーチャイルド」の定義で進めていきます。

 

 

◆変化の理由

 全体の流れとしては、まったく異なる3組の悩みをいきなり問題解決するゲーム自体が無理ゲーで、ましてや1曲で?と思う中、ユリのあの回答での3組の納得っぷりに全くついていけず振り落とされてしまいました……ユリがこれまで自分で気づかなかったことに気づけたこと、気づいた内容は良かったと思うのですけど、その答えだけで、本当に、あなた方3組の抱えた深い悩み解決します?本当に?となってしまって。3組ともユリのインナーチャイルドなので、ユリ自身が答えを見つけてユリ自身が納得すれば納得するということなのかもしれませんが。

 そしてここまではインナーチャイルドということにしても、いちばん引っかかったのは物語の結末、「現実の」両親とユリとの和解です。完全に、禅さんと樋口さんと瑛美子さんの演技力で、禅さん演じる父親の万感迫る表情と言葉で、感動的な感じにして押しきりましたけど、ユリが瀕死になって生還しただけで解決する親子の問題じゃなくないですか??? 過干渉の両親が、事件に巻き込まれて瀕死の状態の、ずっと行方不明で探していた一人娘と再会したら、過干渉が加速しこそすれ、ユリ個人の尊重には、親子関係の問題の解決には、つながらないような……

 

 全体的に、「心の変化の理由」がわからずに置いていかれた感じです。心情を歌う1曲1曲は良い曲だと思うのですけれど、その心情へと変化した理由や、その心情が変化した理由がわからなくて困惑しました。

 

ユリはなぜ「起きることすべてを力に変える」という問題解決を思いついたのか、

なぜあんなに嫌がっていた館の住人との別れを受け入れられたのか、

なぜあんなに許せなかった両親を受け入れようと思ったのか。

 

 この物語のテーマがユリの変化と成長ならば、物語の流れと展開として、この心情変化の理由がいちばん大事ではと思うのですが、ここがいつの間にか変化して物語が進んでいたように感じて「えっ、なんで?」となってしまいました。

 私の読解力が無かったらすみません。もしくは私がユリより頑固で執念深いのかも。何度か通しで見たけれど、どうも私にはこのあたりの心の変化がすっと入ってこなかったので。

 もちろん、登場人物の心情やその変化がすべてわかる必要はないですし、物語の引っかかりを、音楽と舞台空間と世界観で殴って解決する某ラブネバタイプの作品もあるのですけれど。

 

 

◆親の過干渉問題

 「心の変化の理由」にこだわるのは私の個人的な感情かもしれませんが、ユリと両親の和解については、感情以上に引っかかるものがあります。

 

 最近は「教育虐待」という言葉で、親の愛(親自身は愛と思っているもの)ゆえの過干渉の虐待問題が可視化されてきたと思うのですが、ユリの境遇はそれに近いわけです。子が将来困らないようにという親の愛はもちろんわかりますが、「子が将来困らないように」という子に選択肢を与える行為が、「親が望むような人生を歩んでほしい」という理由で子の選択肢や意思を奪う行為に変化したら、それはもう愛とは別のものなわけで……。

 そして過干渉の虐待は、「親子だから」「子への愛だから」を理由に行われるものなので、その問題に対して愛情いっぱいに「親子なんだから」と言ってまとめるのはいちばんやってはいけないことなのではと思うのですけれど、どうなのでしょう……。過干渉を受けた子の当事者がこの結末を観るとかなりきつい気がするのですが……

 いくら禅さん演じる父親が娘の幸せを願う愛が深くとも、娘自身を尊重できなければ悲劇が待っているというのは14世紀のヴェローナでもうやっているわけですし……ここはヴェローナではなく「親による過干渉」「教育虐待」が問題として認知され始めた21世紀の日本で、新たに作られる作品なわけですし……。

 

 禅さんが人物像を深く考えてさまざまな提案していたというお話はいろいろなインタビューでも出てきましたし、実際の芝居も素晴らしかったと思います。娘への愛情あふれる父親な禅さん、人物像とそこから生まれる人間らしい感情をきちんとつくりこんだ禅さんのお芝居は大好きで、初見時は禅さんの芝居で一度はぐっと流されそうになりました。ユリの父親が、娘を愛していてとても大事なことも、とても心配していることも伝わってきます。が、でもそれだけに、個人の素晴らしい芝居で流してはいけない問題なのではと……。

 くどくどとすみませんが、本当に、あのラストシーンの禅さんパパの芝居は大好きなのです。だから、その物語上の使われ方にずっともやもやしているのです。

 

 

◆変化しなければいけないのは誰

 家族関係に問題を抱える主人公が、夢の世界でいろいろな人物と会って、自分の過去を思い出して、何かに気づいて変化して、目覚めて、家族と向き合う。ここだけ見ると、私がとても大好きな某作品と似ています。

 

 でも某作品は、全部ではなくとも家族問題の主な原因は主人公のほうで、その主人公が夢の世界の冒険を経て変化します。現実の家族は夢の前と何も変わっていないけれど、主人公が忘れていた感情を思い出すことで、それが主人公の変化につながって、これから家族との関係を変えられるかもしれない、という流れに違和感は無かったですし、その後に家族とどうなったかは明示されません。家族の側は、当然最初は突然変化した主人公にとまどうだろうし、これまでのことに怒りもするでしょう。主人公を許さない選択肢もあると思います。主人公も、夢から戻ってきて、これまでと変わらない現実を前に変化を維持するのは容易ではない。それでも、変われるか、変えられるか、それを家族は受け入れられるのか。いろいろな可能性を感じさせるところで終わるラストでした。(BW版はハッピーエンドを明示)

 

 それに対してこの作品は、主な原因は親のほうなのに、親は何も変化していない。その一方で、過干渉を受けた側の子が、変化して、親を受け入れるというラストになっている。親は、子が瀕死になって死ぬほど心配はしただろうけれど、過干渉の原因となったであろう思考部分は何も変わっていないわけです。娘のことが大事なのは昔からで、むしろ大事に思ったのが過干渉問題の原因です。

 ユリが全く変わらなくていいとは言いませんし、過去に自分が生み出した懐かしく愛しい存在と再会して、何かを発見し、成長できたのならそれは素晴らしいと思います。でも、この親子関係に関しては、親側が、自分たちの何がいけなかったのか、なぜ娘が離れていったのかを考えることも変化することもなく(したかもしれないけれどその過程や理由は作中で示されないまま)和解に至るのが、一方的で、この辺がとてももやもやしてしまうのです。

 両親側の変化が話の中で示されていれば、ちゃんと大事だからこそユリを尊重して親子関係をやり直したいという意味での「親子なんだから」であれば、いいのですが。

 

 

 

◆作品の主題は?

 この作品ができた経緯は、この記事に詳しく書いてあります。ジェイソン・ハウランドの既存の楽曲を使い、「パーティ」という設定のお題で新しい脚本を募集して、採用されたのが今回の作品のようです。

ミュージカル・クリエイター・プロジェクト特集Vol.1『PARTY』脚本・横山清崇、演出・元吉庸泰、音楽監督・竹内聡インタビュー - Musical Theater Japan

 これによると「誰もが人生の途中で置いてきたものがある、と思い返せる作品」とのこと。うーん、インナーチャイルドと再会して元気や勇気をもらうのがテーマで、親子問題は主なテーマではないのかな……私がテーマを読み違えてるからこんなに引っかかるのかな……

 (私も別にファンタジーな創作物に完璧なリアリティや整合性を求めるわけではないので、気になるのは多分に個人的な問題かも……。親の過干渉で死ぬ寸前まで追い詰められた人を知っているので、変にこだわってしまうのかもしれません。すみません。)

 

◆「PARTY」の意味

 それならそれで完全に余談で細かいことを言うと、インナーチャイルドたちの「消えるけど、見えなくなるけど、会えなくなるけど側にいるよ」というのも、個人的には「私たちはみんなあなたなんだよ。だから消えるわけじゃなくこれからもあなたの中にいるんだよ」ではないのかなぁと。

 

 辛さから逃げるためにユリが生み出したインナーチャイルドたちと、大人になったユリが再会したことでユリが変化して、ユリの中へ戻っていって消えるのかなと。

 

 社交の場の「PARTY」の話のようでいて、「私たちもユリで、この仲間(PARTY)でユリはこれからも人生を歩んでいくんだよ」という話で「PARTY」というタイトルだと思ったのですが、妄想解釈かな……

 

 

◆今後どうなるのかな

 話が散らかってきたのでそろそろ終わります。ここまで読んでいただいた方、どうもありがとうございました。ここからどうなっていくのかわかりませんが、ジェイソン・ハウランドの音楽を1作品分、バラバラにして新しく使い、これだけの企画で作っているのですから、良い作品になるとよいなと心から思いながら見守ります。

ミュージカル『生きる』再演感想

とり急ぎtwitterで書いたスレッドを貼っておきます。

https://twitter.com/hyuga_kabocha/status/1330346641061081088?s=20

……ほぼ「鹿賀さんかっこいい」の叫びですが。

 

初演と比べ、息子の光男役が市原隼人さんから村井良大さんになり、歌詞や演出もブラッシュアップされた再演。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて東京での観劇は諦め、新幹線に乗って久留米シティプラザでの観劇でした。

石川禅さんのソロコンサートセットリスト(第1回~第5回)

石川禅さんの第1回~第5回のソロコンサートのセットリストです。
行けなかった回もあるので,他の方の記録から拝借しているものもあります。
間違っているデータがあれば,twitterで  hyuga_kabocha までご一報いただければ幸いです。
 
石川禅 1stソロコンサート 
2015年5月20日 よみうり大手町ホール
 
歌で一緒に世界を回りましょうということで,国ごとに並んでいるとのこと。
アメリカからスタートしてベトナムを経由し,ヨーロッパへ。
 
「何かがやってくる」 (「ウェストサイド・ストーリー」より)
「トゥモロー (「アニー」より)
「君の歌をもう一度 (「ラブ・ネバー・ダイ」より)
「ひとりごと (「回転木馬」より)
雨に唄えば (「雨に唄えば」より)
「All I Care About (「シカゴ」より)
「神よ、何故? (「ミス・サイゴン」より)
「君住む街角 (「マイ・フェア・レディ」より)
「時が来た (「ジキル&ハイド」より)
「メモリー (「キャッツ」より)
「僕こそ音楽 (「モーツァルト!」より)
「私だけに (「エリザベート」より)
「ミュージック・オブ・ザ・ナイト (「オペラ座の怪人」より)
「カフェソング (「レ・ミゼラブル」より)
「星よ (「レ・ミゼラブル」より)
 
「見果てぬ夢 (「ラ・マンチャの男」より) ※予定セットリストには無かったサプライズ曲
「Thank you for the music (「マンマ・ミーア!」より) ※アンコール曲
 
 
石川禅 2ndソロコンサート 
2016年9月1日 よみうり大手町ホール
 
1stソロコンサートのチケットが激戦となり、観られなかった人もいたということで、1stと同じ曲が多めの構成です。
 
「時が来た (「ジキル&ハイド」より)
「君住む街角 (「マイ・フェア・レディ」より)
「見果てぬ夢 (「ラ・マンチャの男」より)
「ありのままの私 (「ラ・カージュ・オ・フォール」より)
「君のヒーロー (「アリス・イン・ワンダーランド」より)
「あいつを見つけたら (「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」より)
「神よ、何故? (「ミス・サイゴン」より)
「僕こそ音楽 (「モーツァルト!」より)
「私だけに (「エリザベート」より)
「ミュージック・オブ・ザ・ナイト (「オペラ座の怪人」より)
「君の歌をもう一度 (「ラブ・ネバー・ダイ」より)
「メモリー (「キャッツ」より)
 
「星よ (「レ・ミゼラブル」より) ※アンコール曲
「人生一人ではない (「回転木馬」より) ※アンコール曲
 
 
石川禅 3rdソロコンサート 
2017年3月6日,7日 よみうり大手町ホール
 
ダンス&コーラスの女性キャストたちも登場し、歌はもちろんダンスにも力を入れた構成。
 
「One Night Only (「ドリームガールズ」より)
「こいつはサーカス (「エビータ」より)
「Sunset Boulverd (「サンセット大通り」より)
「As If We Never Say Goodbye (「サンセット大通り」より)
 
☆ダンスメドレー(「Luck Be A Lady「Singin’ In The Rain「I Got Rhythm「Steppin’ Out With My Baby「Sing Sing Sing
 
アラン・メンケンメドレー(「Under The Sea「Friend Like Me「Be Our Guest「Go The Distance「Part Of Your World美女と野獣「A Whole New World
 
★回替わり曲
6日(夜):「メモリー (「キャッツ」より) 
7日(昼):「君の歌をもう一度 (「ラブ・ネバー・ダイ」より) 
日(夜):「ありのままの私 (「ラ・カージュ・オ・フォール」より)
 
「私だけに (「エリザベート」より)
「Once Upon A December (「アナスタシア」より)
「カフェソング (「レ・ミゼラブル」より)
「Anthem (「CHESS」より)
「Sailing(「ニュー・ブレイン」より)
 
「星よ (「レ・ミゼラブル」より) ※アンコール曲
 
 
石川禅 4thソロコンサート 
2018年6月30日 イイノホール
 
※セットリストに明記されていないディズニーメドレーの曲や曲順は、自分の記憶やツイートされている方の情報を元にしています。
 
「夢に見るマンダレイ  (「レベッカ」より)
「ミッドサマー・イブ  (「PUCK」より)
「秘めた想い  (「レディ・ベス」より)
「もしも鍛冶屋なら  (「マリー・アントワネット」より)
「星から降る金  (「モーツァルト!」より)
「最後のダンス  (「エリザベート」より) ※昼公演のみ
「あなたがそばにいれば~夜のボート  (「エリザベート」より)
 
☆ディズニーメドレー(「Be Our Guest」「Under The Sea」「Friend Like Me」「Go The Distance」「Part Of Your World」「美女と野獣」「A Whole New World
 
「わたしはわたしの発明品  (「アリス・イン・ワンダーランド」より)
「Sailing  (「ニュー・ブレイン」より)
「時がきた  (「ジキル&ハイド」より)
「Anthem  (「CHESS」より)
「彼を帰して  (「レ・ミゼラブル」より) ※夜公演のみ
「カフェソング  (「レ・ミゼラブル」より)
「星よ  (「レ・ミゼラブル」より) 
 
※アンコール曲
シラノ・ド・ベルジュラック」 (マキノノゾミ脚本) より朗読  「言葉は心を越えない」
からの
「SAY YES  (CHAGE and ASKA) 
 
 
石川禅 5thソロコンサート 
2019年9月2日,3日 よみうり大手町ホール
 
「炎の中へ」  (「スカーレット・ピンパーネル」より)
「どうやって伝えよう」  (「ロミオ&ジュリエット」より)
レベッカⅢ」  (「レベッカ」より)
 
☆ポップスメドレー 
明日があるさ」(1964年:禅さんが生まれた年)
「もしもピアノが弾けたなら」(1981年:禅さんが初めて1人でミュージカルを観た年)
「LOVE LOVE LOVE」(1995年:禅さんが初めて帝劇で主役を演じた年)
 
「かもめはかもめ」
「オン・マイ・オウン」 (「レ・ミゼラブル」より)
「カフェソング」  (「レ・ミゼラブル」より)
「新たな生活」  (「ジキル&ハイド」より)
「ルーシーの死」 (「ジキル&ハイド」より)
「対決」 (「ジキル&ハイド」より)
「愛せぬならば」 (「美女と野獣」より)
「パート・オブ・ユア・ワールド」 (「リトル・マーメイド」より)
「目を開いて」 (「笑う男」より)
 
※アンコール曲
1曲目 「星よ」 (「レ・ミゼラブル」より)
2曲目 1日目 「涙そうそう
    2日目 「少年時代」
3曲目 「今この時」 (「ラ・カージュ・オ・フォール」より)