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ラブ・ネバー・ダイ【1幕のあらすじ】【ネタバレ】

『ラブ・ネバー・ダイ』(原題:Love Never Dies
ガストン=ルルー原作、アンドリュー=ロイド=ウェバー卿の音楽による傑作ミュージカル『オペラ座の怪人』の、続編ミュージカルです。
原作は、フレデリックフォーサイスの小説『マンハッタンの怪人』で、脚本と音楽はウェバー卿。パリのオペラ座のあの事件から10年後、アメリカのマンハッタンが舞台です。
2014年3月12日(水)~4月27日(日)まで、日生劇場で上演されました。(日本初演
 
観劇の感想を書くにあたり、まずざっくりと、あらすじと舞台の様子を書きたいと思います。
つらつらとストーリーだけを書いているので、実際に観劇された方は読む必要はないと思います。
ストーリーは記憶頼み、歌詞は要約です。
勘違いや欠落等あると思いますが、ご寛恕ください。
 
 
暗闇の中で1人ピアノの前に座り、曲をつくるファントム。
しかし自らが書いた楽譜を破り捨て、壁にかけられたクリスティーヌの肖像画を見上げ、切々と歌います。
「この10年、どんなに素晴らしい音楽を作っても、歌う人間はいない。この素晴らしい音楽を歌えるのはクリスティーヌだけ。彼女が歌わなければ、暗く音の無い世界が続くだけだ。もう耐えられない」
と。
 
そんなファントムの下に現れた3人の道化が「怪しく美しい世界、コニ―アイランドへようこそ」と歌うと、遊園地が姿を見せます。
メリーゴーランドが回り、パレードが行われる幻想的な世界を静かに見下ろすファントム。
 
ファントムが姿を消すと、やがてコニ―アイランドではショーが始まり、
パリのオペラ座にいたメグ=ジリーを中心に、羽根飾りのついたコスチュームで女性たちが歌い、踊ります。
ショーが終わって母親のマダム=ジリーに駆け寄り、「あの人は見ててくれた。私にはわかるの」と興奮気味に話すメグに対し、楽屋裏で新聞を目にしたマダムは表情を暗くします。
新聞には、クリスティーヌ=ダーエがアメリカやってきて歌う、という記事。
「親友に会える!」と喜ぶメグ、「あの人に、あの人の音楽に、クリスティーヌを近づけたくない。音楽の才能に溢れるあの人を捨て、ラウルという貴族に走ったクリスティーヌは裏切り者なのに。あの人をここまで逃がし、ここまで尽くし支えてきたのは私たち母娘なのに」と不安と怒りをあらわにするマダム。
 
 
しかし、クリスティーヌは、夫であるラウル=シャニュイ子爵、10歳になる1人息子のグスタフと共に、アメリカへやってきます。
ラウルが酒と博打で作った多額の借金を返すため、アメリカで歌うことを決めたクリスティーヌ。
不躾なアメリカの記者たちの態度に憤慨するラウル。
記者から「アメリカで何をしたい?」と尋ねられ、「コニーアイランドに行きたい。泳げないから泳ぎも習いたい」と答えるグスタフ。
 
すると突然天気が崩れ、あたりが暗くなり、馬のいない怪しい馬車が3人を迎えに来ます。
今回のクリスティーヌの雇い主である興行主・ハマースタインの使いの者と言って現れたのは、コニーアイランドを案内していた3人の道化。
「ハマースタイン本人が出迎えるはずだ。無礼な。」と渋るラウルでしたがやがて根負けし、ラウル一家は馬車に乗ります。
 
暗転。舞台2階部分の高さに渡されたブリッジに現れたファントムが
「おいでエンジェルオブミュージック。ここだエンジェルオブミュージック」
とだけ、囁くように歌って暗闇の中に再び消えます。
 
豪華な部屋に案内された3人。グスタフはどこからかおもちゃのオルゴールを持ってきてラウルに見せようとしますが、ラウルは酒をあおり、グスタフを怒鳴りつけ、「こんな品性も礼儀も無い国はたくさんだ!帰る!」とわめきます。
「怒らないで」「お金が必要なのよ」とクリスティーヌがなだめると、「どうせ悪いのは全部俺さ」とこじらせるラウル。
それを見て「今夜、アメリカを発ちましょう。あなたが楽になるのならそれでいいわ。」とクリスティーヌが折れ、ラウルと少し良い雰囲気になったところで、置いてあった楽譜を見てピアノを弾き始めるグスタフ。
ラウルが頭に響くから止めろと怒り、クリスティーヌになだめられてピアノを諦めたグスタフは、再び「お父様見て!」とラウルにオルゴールを持ってきて、鳴らします。やや冷静さをとり戻し、グスタフに「誰にもらったんだい?」と問いかけるラウルの後ろで、クリスティーヌはそのオルゴールのメロディーに驚き、怯えます。
そのクリスティーヌが「ラウル!」と駆け寄ろうとし、グスタフが「変な…」と答えようとしたのをかき消したのは、ドアのノック。
届けられた手紙で、ハマースタインに呼び出された場所がホテルのバーだと知ったラウルは上機嫌になり、「お願い、ラウル。これ以上飲まないで」と頼むクリスティーヌを無視して出て行きます。
 
その様子を見て「怒っているみたい。僕たちを愛していないのかな」とつぶやくグスタフ。そんなグスタフをクリスティーヌは優しく抱きしめ、「愛はときどき姿を隠し、目には見えなくなるの。でも、目を閉じて、手を広げて、心が感じたらそれが愛よ」と歌います。
 
安心したグスタフを先に寝室に行かせ、1人になったクリスティーヌがオルゴールを振り返ると、突然オルゴールが鳴り始めます。怯えながらクリスティーヌがオルゴールに近づくと、背後の巨大な鏡が開き、ファントムが現れます。
ファントムを見て気を失ったクリスティーヌを椅子に座らせ、頬に触れようとするファントム。しかし気がついたクリスティーヌは激しく拒絶します。10年前、突然姿を消し、死んだと思わせておいて何を今さら、と。
 
10年前を思い出す2人。
ある、月のない夜、クリスティーヌはファントムの隠れ家へやってきて、顔も見えない暗闇の中で2人は愛し合ったこと。恥や怖れを捨てて、1人の男と1人の女になれたこと。
しかし夜が明ける前、再び己の姿への恥を思い出し、クリスティーヌとこんな自分が上手くいくわけがないと思ったファントムは、眠るクリスティーヌを残して姿を消したこと。
 
「私は愛していたのに!ついていくと決めていたのに!勝手に姿を消して!死んだと思わせておいて!それなのに10年経って突然現れて、また歌えだなんてひどすぎる!!!」
と、悲しみと怒りをぶつけて拒絶するクリスティーヌに、ファントムは「これ以上、音楽の無い世界は耐えられない。死んでしまう。私を生き返らせるために歌ってくれ。」と懇願します。
 
そこへ走りこんでくるグスタフ。「怖い夢を見たの。狂った人が僕を溺れさせようとするんだ」と怯えるグスタフをクリスティーヌは優しくなだめます。
落ち着きをとりもどし、ファントムに気づいたグスタフにクリスティーヌが挨拶をさせると、ファントムは「私の世界へようこそ。」と挨拶をします。「あなたの世界?」と不思議そうな顔をするグスタフをファントムは抱え上げ、バルコニーの手すりに立たせてコニーアイランドを見せます。「お望みならば、明日、私がコニーアイランドの全てをご案内いたしましょう。」と約束します。
寝室へ戻るグスタフを見て、「なんと美しく、生き生きとした子だ。君にそっくりだクリスティーヌ」とつぶやくファントム。
そして「もし君が歌うのを拒絶したら、君からあの子を奪い去ってやる。」とクリスティーヌを脅し、楽譜を渡します。「なぜそんなことが言えるの?」とクリスティーヌに非難されると、ファントムは「私のように醜い者は、何だってできる」と言い放ち、
「1曲だけ、1曲だけでいい。金はハマースタインの2倍払う。これさえ歌えば何もしない。君たちは自由だ」と約束し、姿を消します。渡された楽譜を見て、その音楽を口ずさむクリスティーヌ。その美しさに、思わずファントムが消えた窓辺に駆け寄ったところで、激怒したラウルが部屋へ戻ってきます。「ハマースタインはどこにもいなかった」と。
そんなラウルに、クリスティーヌは「契約相手が変わったわ」と、ラウルに告げます。
 
翌日、コニーアイランドの舞台裏へやってきたラウル一家は、ジリー母娘と会い、それぞれに再会を喜び、4人で乾杯します。しかし、契約書をマダムに見せたラウルは、新たな雇い主であるコニーアイランドの主が、死んだと思っていたあのファントムだと知らされます。
怒って出ていくラウル。後を追おうとしたクリスティーヌは、グスタフの姿が消えていることに気づき、慌てて探しに行きます。後を追うメグ。
 
一方、道化3人に連れられたグスタフは、ファントムの部屋へ。
「冒険の準備中です。しばらくお待ちを、若き子爵殿」とファントムが言うと、グスタフはピアノに飛びつき、「弾いてもよいですか?」とファントムに尋ねます。
「ほう、子爵殿はピアノをお弾きになられるのか」と驚きつつファントムが許可すると、グスタフはメロディーを奏で始めます。
それを聞いて驚愕するファントムと道化3人。グスタフが弾いたのは、グスタフが聴いたことがないはずの、ファントムの音楽とそっくりのメロディーだったのです。
「私と同じように弾くとは…。彼は今、10歳…」
 
はっとしたファントムはグスタフに「君に見せたいものがある!君がどう思うか知りたい!!」と言い、ファントムのコレクションルームへと連れて行きます。
そこに現れたのは、たくさんのフリークたちが入った透明なオベリスクをはじめとする、妖しく奇怪なものたち。
普通の子どもなら怯えそうなその暗く怪しい世界を、グスタフは一目見て「きれい!天国みたい!」と言い放ちます。
 
「これらの奥にある美を、美の真実を見抜けるか」と、グスタフに自分のコレクションを見せるファントム。それらを見ていくうちに、ファントムに「Yes!」や「きれい」と応えるだけだったグスタフが、自らファントムに語りかけ始めます。「綺麗な音楽が浮かぶと何もかもが満たされるでしょう?」と。それはまさにファントムも同じ。2人は共鳴しあい、興奮は高まっていきます。「この子は真実を見抜ける!」と興奮するファントム。それが最高潮に達したとき、ファントムは自らの仮面とかつらをとり、グスタフに自分の真実の姿を見せます。
しかし、途端に悲鳴を上げて逃げて行くグスタフ。ファントムがよろめいて姿を隠したところに、クリスティーヌとメグが現れ、グスタフを抱き止めます。
そこへ仮面だけつけて現れるファントム。髪はそのまま、ぼろぼろの姿で「気づかないと思ったか。真実を言う気はないか」とクリスティーヌに語りかけます。
その姿を見てファントムに思わず近づこうとするメグですが、話の内容を悟ったクリスティーヌがメグに「グスタフを連れて戻って、お願いメグ」と頼み、メグはグスタフを連れて帰ります。
残された2人。
 
クリスティーヌは、「伝えたかった、でもあなたは姿を消してしまって伝えられなかった」と告白します。
自分の血を分けた息子がいたこと、そしてそれを知らずに消え、今日まで知らなかった自分。愕然とするファントム。
 そしてその息子が、かつてのクリスティーヌと同じように自分を拒絶したことをクリスティーヌに語り、2人とも私から離れていい、ただし、あの子には私が父親だと決して伝えないと約束してほしいと伝えます。クリスティーヌは約束し、同時に、「あなたのこの美しい音楽も決して埋もれさせはしない」とファントムに誓います。1度だけ、でも必ず歌うと。
クリスティーヌが去り、残されたファントムは、「あの子のおかげで自分が救われた、だから彼に自分の全てを残そう、自分の持つもの全てを」と歌い上げ、消えます。
無人となったコレクションルーム。しかしその中央のオベリスクからはマダム・ジリーが現れます。すべてを聞いていたマダム。
「全てをあの子に渡すですって?彼の全てを?私のこの10年は何?全部、全部持っていかれる!あの子に!!」
マダムが怒りと絶望を歌い上げ、1幕の幕が下ります。
 
 
…とここで5000字くらいなので、切ります。2幕へ続く。